執事×アニメ×眼鏡
専門店だからこそのおもてなし
まるで洋館のような「執事眼鏡eyemirror」の店内にずらりと並ぶ商品の中で、噂のコラボレーション眼鏡には商品ごとにモデルとなったキャラクターのイラストが控えめに飾られている。そのどれもが他の一流ブランドに引けを取らないほど個性的でスタイリッシュ!解る人は解る、さりげない主張が嬉しい。
実はコラボレーション眼鏡は店内の商品の3割ほど。「1番の目標は眼鏡の楽しさを知っていただくこと。執事のおもてなしもコラボレーション眼鏡も、すべては入り口です」と語る常田さん。“執事”ではあるがあくまでも「眼鏡専門店」であることを大切にしているそうで、眼鏡への想いは強い。「視力測定や調整を通常の2倍の時間をかけて行い、困っていることには専門知識からアドバイスします。“眼鏡屋”として、大切な部分はブレないように」と常田さん。その丁寧な接客でお客さまはリピーターとなり、一般ブランドも購入してくれるようになるそうだ。
「百貨店のクオリティで測定・調整いたします」(常田さん)
この日の紅茶は蜂蜜漬けのフルーツで
香りづけしたフレーバーティーでおもてなし。
作品へのリスペクトと眼鏡愛が
新たな商品を生み出す
コラボレーション眼鏡は常田さんが原作者やアニメ製作会社に提案し、眼鏡をかけていないキャラクターも、“もし眼鏡をかけたら”という設定で作家と眼鏡のデザイナーが協力して制作を行う。「私もアニメが好きなので、人気が出そうな作品には積極的にアプローチしています」と常田さん。商品に作品へのリスペクトを感じる理由はこれだったのだ。初めはなかなか取り合ってもらえず苦労したそうだが、積み重ねた実績が今につながっている。
お客さまの多くは20〜30才代で、ホームページを見て全国から来店するとのこと。「若者は安物しか買わない、と眼鏡業界では言われますが、それは違うと思います。ロープライスには無い『個性』や『違い』が伝われば、高い価格でも購入に繋がると思います。」確かに店内の眼鏡はどれも個性的でカッコよく、眼鏡はこんなに自由なのか、という新たな気づきとワクワクが詰まっている。
「Fate/Grand Order」の新作モデル。
細部のこだわりがニクい。
ネット全盛の今でも、
“眼鏡屋さん”でありたい
「執事眼鏡eyemirror」は池袋で開店し、2019年9月で8年目を迎えた。コラボレーション眼鏡だけでなく、レンズの隅に装着するチャーム“眼鏡のピアス”や若者でも取り入れやすいチェーンなど斬新なアクセサリー類も豊富に揃え、眼鏡の新たな可能性を提案し続けている。「池袋は変化が激しいところが良いと思います。新しいことに寛容ですよね」と語る常田さんの挑戦が、変化の多い池袋で安定した人気を誇る理由のひとつなのかもしれない。
そして2017年には秋葉原に姉妹店としてコラボレーション眼鏡の専門店をオープンさせた。「今後は全国展開、できれば海外にも実店舗を増やしていきたいですね。今はインターネットでなんでも買い物ができますが、あくまでも“眼鏡屋さん”でいたいです」常田さんの熱くて深い眼鏡愛は止まらない。
レンズに穴を開けずに
テンプル(つる)に通すタイプもある。